千葉県と聞くと、多くの人が平坦な地形や海岸線を思い浮かべるかもしれません。
青く広がる海は間違いなく自慢の一つと言えますが、半島南には手付かずの大自然、房総丘陵が広がっています。低山ながら奥深い山々には渓谷があり、大小様々な滝が存在します。
千葉の滝といえばハートやジブリというワードが飛び交い、snsでも大変話題になった濃溝の滝がここ数年大人気ですが、本日ご紹介するのはそのお隣、富津市にあるT秘境と呼ばれる高宕渓谷です。
とても静かな集落の奥の奥にひっそりとあるこの渓谷は、自然に溶け込んだ川廻しの景観が特徴的で、初心者から上級者まで幅広く楽しめる遡行スポットとして秘かな人気となっています。
T秘境へのアクセスは、登山も絡めると危険箇所が多く熟達者向けになってしまいますが、君津市高溝の集落に駐車し、ハイキング気分で楽しめるコースはおすすめです。
駐車地点から30分も歩けば入渓点の素掘りトンネルに到着します。ハーネスやロープなど特別な装備は必要はありませんが、濡れても良い服装と、フェルトソールの靴やヘルメットなど、安全に配慮することで初心者の方も安心して楽しむことができると思います。
そして1番大切なことはヤマビル対策!ここだけの話ではなく、これからの季節、寒くなるまでの房総の山の中はヤマビルが発生します。足元はゲーターでしっかりカバーし、忌避剤をたっぷり吹き付けてから出発しましょう!
今回は沢歩きが初めてという友人と楽しんできました。
千葉の沢は水量がとても少ないのですが、数日前にまとまった雨が降ったせいか、見応えや渡渉には丁度良い水量で、濁りもとれ千葉の川とは思えないほど澄んでいました!
入渓から5分もしないうちに黒滝がお目見えし、そこから少し頑張って歩けばメインの急駟滝です。
ここは少し怖いと思う方もいらっしゃるかと思いますので、無理をせず、眺めるだけで引き返しても十分楽しめると思います。
大小様々なプール。流れるイワタバコの花。
ジブリ!ジブリ!と大騒ぎしたり、きれい〜と絶叫したり、どこを切り取っても素晴らしい渓谷でした。紅葉の時期もさぞ美しいことでしょう。
T秘境は、その謎めいた呼び名から想像できますように、公には場所が公表されていません。しかしながら、調べると沢山の情報が出てきます。地元の方のご迷惑にならないよう、個々がマナーを守り、自然への敬意を払い楽しむことが求められる場所かと思います。